香車は下段から

将棋のブログ。プロ棋戦、自戦記、戦型考察等々。

考察03 対後手三間飛車03

こんにちは

今週末も将棋イベントが多いですね。ABEMA女流トーナメントはTeam加藤が決勝に勝ち上がり私の本命予想のTeam伊藤と優勝を争うことになりました。来週の放送が楽しみです。

チーム加藤、激戦突破で決勝へ!連覇目指す加藤桃子女流三段「すごく楽しいメンバー」/将棋・女流ABEMAトーナメント | ニュース | ABEMA TIMES

この他、棋王コナミグループ杯第4局とNHK杯トーナメント決勝も行われており、こちらについては別にレポートしようと思います。

 

今回は、以前レポートした後手三間飛車への対策について引き続き検討しようと思います。これが対後手三間飛車の三回目の考察となります。

gedankyosha.hatenablog.com

gedankyosha.hatenablog.com

 

局面を図4に戻します。以前のレポートではここで△3六歩と仕掛ける手を考察しましたが、先手居飛車側が十分だったと思います。今回は、ここで△3四飛と石田流を目指す手順を考察しようと思います。

 

図4から

△3四飛    ▲4六銀    △6四角 - 図11    

△3四飛に対して▲4六銀と上がり飛車にプレッシャーをかけます。この手に対して△3三桂と石田流の駒組を進めると▲6八角として後手の飛車が危うくなります。そこで、後手は本譜▲6四角と覗き先手を飛車のコビンを狙ってくるのが妥当な順だと思います。

 

図11から

▲5五歩    △3三桂    ▲6八角 △4五桂    

▲3五銀    △3一飛 - 図12

▲5五歩と角筋を止めた手に対して後手は△3三桂~△4五桂と二段跳ねつつ飛車を軽くします。先手は▲3五銀と一歩得して2筋突破が確実な形なのですが、後手も5筋の歩を伸ばしつつ角筋を通してくる狙いが残っています。

 

図12から

▲2四歩    △5五歩    ▲2三歩成 △5六歩    

▲4六角    △5七歩成  ▲6四角    △同 歩    

▲5三歩 - 図13

互いに2筋5筋の歩を進めて、後手△5七歩成とと金を作りますが、先手も角交換から▲5三歩打と急所を叩きます。AI先生ご推奨の一手です。△同金と取れば▲4ニ角と飛車金両取りに打ち後手陣は崩壊しそうです。

 

図13から

△6二金寄  ▲4六銀    △8二玉    ▲1五角 - 図14

後手が△6ニ金と金を逃がした手に対して先手も一旦▲4六銀と逃がします。後手の▲8二玉はつらい感じの一手ですが、先手はここでAI先生推奨の▲1五角打があります。こういう手は見えないです。勉強になります。この手に対して後手1)△5一角打と2)△2一飛が考えられます。
 

図14から1)△5一角    

▲同角成 △同 金    ▲2二角 - 図15

▲4ニ角成を防ぐには本譜△5一角くらいですが、平凡に▲同角成~△同金と後手の形を乱して▲2二角打と飛車取りに打った局面をAI先生は+1,035先手優勢と評価されています。

 

図14から2)△2一飛    

▲2二と    △5一角    ▲2一と    △1五角

▲2二飛成 - 図16

△2一飛は、▲4ニ角成が当たりになるのを先逃げしつつ、▲3三との活用を防ぎつつ、かつ▲2二ととさせて先手の飛車先を重くする意図だと思います。▲2二との瞬間△5一角と角取りに打ってきますが(▲同角成には△同飛としてと金から逃げられる)、構わず▲2一とと飛車を取り▲2二飛成となった局面をAI先生は+636先手優勢と評価されています。後手の△1五角が働いてなく、△4三銀も狙われそうで先手十分だと思います。

これまで3回に渡って後手三間飛車+石田流に対する先手居飛車穴熊を考察してきました。概して▲4九金の動きを保留して▲4六銀で相手の浮き飛車にプレッシャーをかける指し方が有力だと思います。次回以降は、異なる将棋について考えようと思います。

今回は、この辺りで失礼します。