香車は下段から

将棋のブログ。プロ棋戦、自戦記、戦型考察等々。

自戦記41 対先手ゴキゲン中飛車穴熊 超速

こんにちは

来週からまたタイトル戦が始まりますね。叡王戦が4月7日から、名人戦が4月10日より始まります。当然ながら藤井八冠に挑戦することとなります。両タイトル戦が並行して行われ、普通であれば作戦の準備、体調管理が大変なところでしょうが、藤井八冠のこれまでの活躍を見ても日程的な不安は問題無しといったところでしょう。春に行われる2大タイトル戦が楽しみですね。そろそろ伊藤匠七段が一矢報いる、新しい豊島将之九段の棋風爆発といった展開になると面白いなと思っています。

times.abema.tv

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さて今回は、私の対局をご紹介しようと思います。私が後手番でお相手の方の中飛車穴熊に超速で対抗する将棋となりました。以下後手番目線の局面図を示します。

 

初手から

▲7六歩    △8四歩    ▲5六歩    △6二銀    

▲5五歩    △4二玉 ▲5八飛    △8五歩    

▲7七角    △7四歩    ▲6八銀    △7三銀

▲5七銀    △6四銀    ▲6六銀    △3四歩    

▲4八玉    △3二銀 ▲3八玉    △3三銀    

▲2八玉    △5二金右  ▲1八香 - 図1   

お相手の方の中飛車に対して、こちらはいつもながら超速で対抗しました。2枚の銀を中央に繰り出そうかといった局面で、▲1八香(図1)と穴熊を明示してこられました。あまり経験のない形でした。こちらは堅い囲いを作れないので、どこでポイントを得るかといったことを考えていました。

 

図1から

△4四銀 ▲1九玉    △3二玉    ▲2八銀    

△8六歩    ▲同 歩    △7三桂 ▲3九金    

△1四歩    ▲3六歩    △8一飛    ▲1六歩    

△6五桂 - 図2

先手が穴熊に囲う中、こちらは飛車先の突き捨てを入れてから△7三桂~△8一飛~△6五桂と捌いていきました。歩損しながらの桂馬の捌きで、相手が美濃囲いであれば普通かなと思うのですが、穴熊相手なのでどうかなと思いながら指していました。図2の局面は、AI先生の評価値的には‐21互角でした。そういうものなのですね。

 

図2から

▲5九角    △5五銀左  ▲同 銀    △同 角    

▲6六銀    △2二角 ▲3八飛    △8八歩    

▲同 飛    △5七桂成 - 図3 

中盤戦です。△6五桂に角を逃げる一手ですが、▲8八角は△8六飛と走られるのを嫌がったのか▲5九角とされました。ただ、これには△5五銀左と歩を取り返す手があります。銀交換が行われ△5五同角と飛び出した手に対して、先手一旦▲6六銀と受けてから▲3八飛とこちらの玉頭目掛けて飛車を振ってこられました。こちらの玉頭は弱いところなので飛車の転換は嫌な手にみえましたが、本譜の△8八歩~△5七桂成(図3)の捌きを思いつきました。▲同銀は△8八角成で飛車を巣抜くことができます。指しやすくなったと手応えを感じました。

 

図3から

▲7八金    △5六成桂 ▲7七角    △4七成桂  

▲4八歩    △4六成桂  ▲3五歩    △同 歩

▲6八角    △4五成桂  ▲7七桂    △6九銀    

▲6五銀 - 図4   

こちらがポイントをあげましたが、相手は穴熊なので捕まえるまではまだまだ長くなりそうです。▲4八歩~▲6八角は良い辛抱にみえました。△6九銀と絡んでいきましたが、玉と反対側の金にアタックする手なのでどうかなとも思っていました。先手の方も金取りには構わず▲6五銀(図4)とぶつけて反撃にこられました。

 

図4から

△同 銀 ▲同 桂    △7八銀成  ▲同 飛    

△9九角成  ▲7九飛    △5五馬 ▲5九飛    

△6五馬    ▲6六銀    △6四馬    ▲6五銀打  

△7三馬 ▲5四歩 - 図5   

6筋7筋で駒の交換が行われた後、こちらは△9九角成として駒得を果たしました。一方の先手も▲7九飛~▲5九飛と手順に飛車を転換してこられました。そこからさらに▲6六銀打~▲6五銀打~▲5四歩打とこちらの馬をイジメながら上手く中央に迫ってきました。こちらとしては、玉が薄いだけに嫌な展開で緊張するところです。

 

図5から

△同 歩    ▲同 銀    △3六成桂  ▲5三歩    

△4二金寄 ▲5五銀    △2四香 - 図6   

▲3八金    △5八歩 - 図7   

▲5四銀~▲5三歩と中央をかなり抑え込まれましたが、もう一押しが無かったのはさいわいでした。△2四香(図6)と駒得した香車を先手玉頭に設置し、▲3ニ金と守った手に対して△5ニ歩(図7)が感じの良い手でした。▲同飛は△4九銀の割打ちが厳しいですし、本譜のように飛車を逃がす手は先手からの中央殺到の脅威がなくなり5五の銀も取れます。勝ちに近付きました。

 

図8

▲3九飛    △5五馬 ▲6三銀成  △2七香成  

▲同 金    △同成桂    ▲3五飛 - 図8   

△3三歩 ▲5五飛    △3八金 - 図9   

▲4六角    △2九金    ▲同 玉    △3八銀

まで96手で後手の勝ち

局面はこちらが勝勢になっています。△5五角と銀を取りながら先手玉をにらみ、△2七香成から殺到していきました。途中の▲3五飛(図8)の王手角取りはうっかりしていたのですが、さいわいに体勢には影響なく△3八金(図9)で先手玉は受け無しとなり勝つことができました。

一局を通して、あまり経験のない形でしたが中飛車穴熊に対しても超速で挑んで評価値的に十分と理解できたのは収穫でした。最後王手角取りはうっかりしましたが、角を見捨てて必至となる一手を指せたのは良かったです。

 

今回は、この辺りで失礼します。

 

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