こんにちは
今週は棋聖戦・叡王戦とタイトル戦が二つ行われますね。棋聖戦が執筆現在対局中で、山崎八段の後手向かい飛車に対して藤井棋聖が上手く対応されているようにみえます。こういった展開は織り込み済みで、ここからちょい悪逆転術が炸裂するのか期待せずにはいられませんね。
藤井聡太|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
山崎隆之|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
さて今回は、以前の考察に引き続き”ヒネリ飛車”についてレポートをしたいと思います。今回がヒネリ飛車の最終レポートとなります。
初手から
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩
▲7八金 △3二金 ▲3八銀 △7二銀
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩
▲2六飛 △1四歩 ▲9六歩 △9四歩
▲7六歩 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛
▲7七桂 △8二飛 ▲7五歩 △4二銀
▲8五歩 △6四歩 ▲7六飛 △6三銀
▲4八玉 △4一玉 ▲6八銀 △3四歩
▲1六歩 △3一玉 ▲6六歩 △3三角
▲6七銀 △2二玉 ▲5六銀 △4四歩
▲9七角 △6二金 ▲4六歩 △4三銀
▲6八金 △5四歩 ▲5八金寄 △5五歩
▲4七銀引 △5二金 - 図13
局面を図13に戻します。前回考察した a)▲8六飛に代わり、b)▲3九玉と深く囲う手(図17)を調べて行きたいと思います。
図13から b)▲3九玉 - 図17
△4二角 ▲3六銀 - 図18 △9三桂
▲8六飛 △6五歩 ▲4五歩 - 図19
玉を3九まで動かせば先手かなり安心感が得られそうですが、ここからどう攻めていくかが難しそうです。後手△4二角と先手の角筋をケアする一手に対して、AI先生は▲3六銀とダイアモンド美濃を崩して後手玉頭に向かう銀上がりを推奨されていました。玉は金銀3枚で美濃囲いの低い陣形に収まっており、4七にいた銀はあくまで攻めで使うのが本筋なのでしょうか。ここから後手は△9三桂と跳ねてから8筋6筋から攻め立て、先手は▲4五歩と互いの玉頭から攻め合います。
図19から
△同 歩 ▲8四歩 △7五角 ▲7六飛
△9七角成 ▲同 香 △8四飛 - 図20
中盤の難所といった局面です。後手△7五角の飛び出しから角交換となり、手番を得た後手が△8四飛と気持ちよく飛車を捌きます。図20の局面は、玉の固さは互角、駒割は後手の三歩得、駒の働きも飛車の差で後手が良さそうにみえます。AI先生は、互角を示しておりもう少し進めてみます。
図20から
▲8五歩 △7四飛 ▲同 飛 △同 歩
▲6五桂 - 図21 △7六角 ▲4八金寄
△7八飛 ▲1五歩 △同 歩 ▲6一飛 - 図22
飛車を成らすわけにはいかないので当然▲8五歩とする手に、後手は強く△7四飛とぶつけ勢い飛車も交換となります。手番を得た先手の続く▲6五桂が良い感触です。歩を取りつつ桂馬を中央に捌く一手で、後手の9三桂より働いています。ここから先手は△7六角~△7八飛と急所に大駒を設置して先手玉をにらみますが、先手玉は▲4八金寄の一手でかなり堅くなりました。ここから一手▲1五歩の突き捨てを入れてから▲6一飛と打ち下ろした局面で区切りとしたいと思います。図22の局面は、お互い大駒が相手陣に打ち下ろされていますが、これを援護する小駒が無いためすぐに寄るといった局面ではなさそうです。先手は9一の香車を取りつつ6五の桂馬を上手く使っていきたいところです。一方の後手は△5六歩の突き捨てからと金を作っていく展開が予想されます。AI先生の評価は+24互角となっています。
以上で相掛かりヒネリ飛車の考察レポートを終了したいと思います。”将棋の必勝戦法”と謳われた時代もあったようですが、後手も最善を尽くすと先手が優勢に導くのも難しそうです。ただし先手もしっかりと美濃囲いの堅陣に組み上げるまで我慢すれば、もともと攻撃力が高いので勝ちやすい戦法なのかもしれませんね。
今回は、この辺りで失礼します。
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