香車は下段から

将棋のブログ。プロ棋戦、自戦記、戦型考察等々。

考察31 相掛かりヒネリ飛車 その1

こんにちは

ゴールデンウィークがあっという間に終わってしまいます。この期間中毎年コンピュータ将棋選手権が行われていますね。詳しいことは分かりませんが、いつもお世話になっている「水匠」も参加されているのでちょっとだけ見ていましたが、残念ながら二次予選敗退となってしまいました。優勝されたのは「お前、CSA会員にならねーか?」という名のプログラムだったそうです。将棋の内容は見ていないのですが、よく名前を聞く「やねうら王」や「技巧」「HEROS」あたりを抑えての堂々の優勝でした。ついていけてないところもありますが、今後も優秀なAI先生が益々オープンになることを願っていおります。

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さて今回は、久しぶりに考察レポートをあげようと思います。テーマはズバリ「ひねる飛車」です。昭和の時代に、一時最強戦法と謳われた戦法ですね。近頃先後問わず相居飛車の場合は「村田システム」を採用していたのですが、先手の場合に主導権を取ることが難しく消極的であまり適してないかなと感じていました。そんな中、タイトル戦で豊島九段が藤井名人に対して採用されたのを見て調べてみようと思った次第です。

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初手から

▲2六歩    △8四歩    ▲2五歩    △8五歩    

▲7八金    △3二金 ▲3八銀    △7二銀    

▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △2三歩

▲2六飛    △1四歩    ▲9六歩    △9四歩    

▲7六歩    △8六歩 ▲同 歩    △同 飛    

▲7七桂    △8二飛    ▲7五歩    △4二銀 

▲8五歩 - 図0   △6四歩    ▲7六飛    

△6三銀    ▲4八玉    △4一玉 ▲6八銀    

△3四歩    ▲1六歩    △3一玉 - 基本図

序盤の手順はいろいろあるところですが、今回は▲8五歩(図0)として後手の飛車先を受ける形を考察していきます。定跡では後手の飛車先を受けずに▲9七角(図A)として△8九飛成には▲8八角~▲8六飛、他の手なら▲8六飛とぶつけるとする手もあったと思うのですが、AI先生受けがあまり良くなかったので▲8五歩と進めることとしました。長くなりましたが、△3一玉の局面を基本図にしたいと思います。基本図からa)▲3九玉~▲5六歩~▲5七銀と左銀を歩の下から繰り出していく指し方と、b)▲6六歩~▲6七銀~▲5六銀と左銀を腰掛銀に構える指し方が考えられそうです。

 

基本図からa)▲3九玉    

△3三角 ▲5六歩    △2二玉    ▲5七銀    

△4四歩 - 図2   ▲4六銀    △4三銀    

▲3六歩    △6五歩    ▲9七角    △5四歩

▲2八玉    △4五歩    ▲3七銀引  △5二金    

▲2六歩 - 図3

本譜▲3九玉は、▲5六歩と突く前に玉を遠ざけておく意味合いがあります。後手は玉を深く△2二玉と収めた後、△4四歩(図2)と突き△4三銀と上がる準備をします。本譜は積極的に▲4六銀と後手の角頭に向けて進軍しましたが、これに代わって▲2八玉とする手は別に考察します。▲4六銀に対して△4三銀と角頭を守られると右辺でポイントをあげるのは難しいので、▲9七角と端角に上がり左辺で攻めの形を作ります。▲2八玉と深く玉を囲った局面では、後手の5三の地点を狙って▲7四歩(図B)とする手もありそうですが、あっさり△同歩とされ以下▲5三角成と馬を作りますが、△6二金 ▲8六馬 △7三桂 ▲3七銀引 △4二角(図C)とぶつけられると馬が消えてしまいます。本譜に戻って、△4五歩に▲同銀は△4四歩があるため▲3七銀引する一手です。以下後手は△5ニ金とバランス・連結の良い陣形を作り、先手は▲2六歩(図3)と玉頭のキズを消した局面で一区切りにしたいと思います。駒の働き、玉形の堅さは互角にみえます。AI先生も-70互角と評価されています。ただし、先手としては開戦する場所がみえにくく感じます。指すとしたら左の金を玉に寄せていく位しか見えず難局に思えます。

次回は、局面を図2まで戻して▲4六銀に代え▲2八玉とする指し手を調べようと思います。

 

今回は、この辺りで失礼します。

 

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