香車は下段から

将棋のブログ。プロ棋戦、自戦記、戦型考察等々。

考察26 相掛かり持久戦同型

こんにちは

年明けから始まる王将戦の挑戦権をかけた挑決リーグが進んでいますね。10月28日現在の状況は以下の通りです。

順位 氏名/順番 1 2 3 4 5 6 7
1 羽生善治九段 2 2
近藤誠

佐々木勇

豊島

渡辺明

菅井

永瀬
2 豊島将之九段 2 2
佐々木勇

近藤誠

羽生

永瀬

菅井

渡辺明
3 永瀬拓矢九段 3 0
菅井

渡辺明

豊島

近藤誠

羽生

佐々木勇
4 近藤誠也七段 2 1

羽生


豊島

佐々木勇

永瀬

渡辺明

菅井
5 渡辺 明九段 0 3
菅井

永瀬

羽生

佐々木勇

近藤誠

豊島
5 菅井竜也八段 2 1
渡辺明

永瀬

佐々木勇

羽生

豊島

近藤誠
5 佐々木勇気八段 1 3
豊島

羽生

菅井

近藤誠

渡辺明

永瀬

3連勝で首位を走る永瀬拓矢九段を2勝1敗の近藤誠也七段と菅井竜也八段が追う展開となっています。2敗目を喫してしまった羽生善治九段と豊島将之九段は厳しそうですね。今後上位の三者で残っている直接対決の永瀬(先)ー近藤戦と近藤ー菅井(先)戦が大一番となりそうです。リーグ戦後半戦に要注目ですね。

http://第73期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグ戦 (shogi.or.jp)

 

さて今回は、また新たな考察をAI先生と行っていきたいと思います 。タイトルにもある通り相掛かりについてです。序盤の手順はさておき、持久戦となった場双方が基本図のような陣形に組むことが多くあるようにみえます。囲いの名前は不明ですが、プロの実戦でも表れている局面です。先の新人王戦三番勝負第2局でもあら合われました。中央の玉を金銀で守り、下段の飛車が好手に良く利いているバランスの良い陣形ですね。

プロの実戦ではこの局面でa) ▲2二角成(先手3勝3敗)とb) ▲4五歩(先手8勝2敗)が指されており、AI先生の検討手も上位の候補手として挙げられています。まずはa) ▲2二角成から見ていきたいと思います。

基本図から a) ▲2二角成  

△同 銀 ▲6八銀    △2四歩 - 図1   

手損をしてまで先手から▲2二角成する意図は、▲6八銀として銀を玉がいる中央で使いたいということだと思います。一方の後手は銀が玉から離れてしまいますが、△2四歩と陣形を膨らませて銀冠の好形を築こうとします。この歩は飛車で取れますが△3三角のカウンター(飛車香両取り)があるので△同飛とはできません。

 

図1から

▲4五歩    △3三桂    ▲6六歩    △2三銀

▲6七銀 - 図2   

後手の銀冠を防げない先手は、▲4五歩と位を取り主張点を作ります。後に▲4六角と好位置に設置する狙いもありそうです。後手は予定通りに△3三桂~2三銀と銀冠を完成させ、先手も▲6六歩~▲6七銀と囲いを膨らませます。図2は双方囲いが完成して攻めの手順を模索したいところです。

 

図2から

△1五歩    ▲同 歩    △1七歩    ▲同 香    

△3五歩 ▲同 歩    △4五桂 - 図3

図2の局面の手番は後手です。攻め手があまりなさそうに見える局面ですが、AI先生は1筋からの攻めを推奨されていました。本譜の進行の通り、端の香車を吊り上げて桂馬を軽快に跳躍して攻めになっているようにみえます。図3の局面で、▲同桂には当然△1八角打(飛車桂両取り)を用意しています。桂馬を跳ねて弱くなった端から後手が上手く手を作ったといった印象です。今回はここで一区切りにしたいと思います。図3の局面をAI先生は-61互角と評価しており、先手としては後手からの攻めを受ける展開となりあまり面白くなさそうです。自ら角交換をしたのが手損となり後手からの先行を誘発したと言えるかもしれませんね。次回は、基本図からb) ▲4五歩と位を取る指し手を考察しようと思います。

 

今回は、この辺りで失礼します。

 

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