香車は下段から

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自戦記40 相村田システム

こんにちは

棋王戦五番勝負の第4局が行われますね。第1局が伊藤匠七段の”持将棋定跡”で話題となりましたが、その後の第2局、第3局と藤井聡太棋王の正確な指し回しに伊藤七段も為す術がないといったところでしょうか。これまで角換わり腰掛銀シリーズとなっていますが、先手番の伊藤七段の用意の作戦が注目されるところです。このまま、一気に防衛なるのか挑戦者が一歩踏みとどまるのか目が離せません。

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2024年3月17日 五番勝負 第4局 藤井聡太棋王 対 伊藤匠七段|第49期棋王戦 (shogi.or.jp)

棋王戦コナミグループ杯中継plus : 揮毫 (shogi.or.jp)

藤井聡太|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

伊藤匠|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

 

さて今回は、私の対局をご紹介しようと思います。私が先手番で珍しい相村田システムの戦いとなりました。

 

初手から

▲2六歩    △8四歩    ▲7八金    △8五歩    

▲4八銀    △3二金 ▲6八銀    △6二銀    

▲5六歩    △5四歩    ▲5七銀右  △4二銀

▲6九玉    △5三銀右  ▲2五歩 - 図1   

先手番となった私はいつも通り村田システムを目指した駒組を進めていましたが、気づけば双方角道を開けずに中央へ銀を繰り出す村田システムとなりました。珍しいのではないかなと思います。私自身初めてでどんな展開になるのかドキドキするところです。

 

図1から

△6四銀    ▲2四歩    △同 歩
▲同 飛    △5三銀上  ▲6六銀    △2三歩    

▲2五飛    △4一玉 ▲5八金    △5二金    

▲7六歩    △8六歩    ▲同 歩    △同 飛

▲7七銀上  △8二飛    ▲8七歩    

後手△6四銀と繰り出した局面で飛車先の歩交換にいきました。本譜▲2四歩の局面で△5三銀と上がって5四の歩を守ってこられましたが、△2三歩と受けられたとしても横歩は取れなさそうです。以降▲2五飛と高飛車に構えて後手の攻めに備えましたが、後手も飛車先の歩交換を行い△8二飛と深く飛車を引きつけました。双方が一歩を手持ちにして徐々に本格的な戦いが起こりそうな局面となりました。

 

図3から

△7四歩    ▲7九角    △4四銀 ▲3六歩    

△3四歩    ▲3七桂    △3一角    ▲4六角 - 図4   

△3三桂 ▲2九飛    △5五歩    ▲同 歩    

△7五歩    ▲同 歩    △同 銀 ▲同 銀    

△同 角    ▲6六銀    △6四角    ▲6五銀打 - 図5

そろそろ中盤戦です。後手の△7四歩と飛車のコビンが空いたのをみて▲7九角~▲4六角と転換しました。この角は角頭を3七桂で守られているので当分後手の飛車を睨む好位置に居座れそうです。後手も7筋から反撃されてきましたが、△7五同角に強く▲6六銀と上がり続く△6四角にも▲6五銀打として中央の勢力を掴みに行きました。双方の玉頭だけに、5筋の勢力争いが急所と見ました。

 

図5から

△4二角 ▲5四歩 - 図6   △5五歩    

▲同 銀    △同 銀    ▲同 角    △6四銀

▲同 銀    △同 角    ▲同 角    △同 歩    

▲5三銀    △5一金 ▲6四銀不成 - 図7

△4二角と逃げた一手に、▲5四歩の突き出しが飛車取りにしつつ拠点を作る味の良い一手でした。以下角銀交換となりこちらの手番で拠点を活かして▲5三銀と打ち込んでいきました。この辺りはこちらがかなり優勢になっていたようです。後手△5一金と踏ん張った手に▲6四銀不成としましたが、あまり良くなかったようです。後手からの△5五角打(桂香両取り)を防ぎつつ、▲5三歩成を狙った一手でした。AI先生的にはこれを良しとせず、▲8三銀(△同飛には▲7四角の王手飛車)や▲5ニ銀打(△同飛には▲9六角の王手飛車、△同金には▲同銀成 △同飛 ▲6三角の王手飛車)等攻め続ける手を推奨されていました。

 

図7から

△8六歩    ▲同 歩    △同 飛    ▲8七歩    

△3六飛 ▲3八歩 - 図8   △5六飛    

▲7四角    △3一玉    ▲5六角    △5七歩

▲6八金右  △5八銀    ▲7九玉    △5九銀打  

▲5七金 まで83手で先手の勝ち

終盤戦です。形勢はまだ若干先手が指しやすい感じだったようです。後手は飛車先に歩を合わせて反撃してきました。△3六飛と回ってきた手に対して手堅く▲3八歩と受けましたが、この一手もAI先生は良しとされていませんでした。ここでも攻める手を推奨されており、▲5三歩成として▲6三角の王手飛車を狙う手や、▲2一銀や▲2四歩と挟撃体制を築く手が候補手に上がっていました。本譜は後手の方がうっかりされて王手飛車が決まってしまい、以降も後手の攻めを丁寧に受けて勝つことができました。

一局を通して、珍しい相村田システムとなりましたが▲4六角で飛車を牽制しつつ銀を手厚く打っていき優勢な局面に導くことができました。以降AI先生の推奨する通り、攻め続けていたら完勝していたかもしれませんが、見つけれなかったのは反省ですね。まだまだ経験値が足りていない感じで、今後に活かせればと思っています。

 

今回は、この辺りで失礼します。

 

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