こんにちは
朝日杯準決勝・決勝が行われて見事永瀬拓矢九段が初優勝を果たされましたね。一般棋戦の優勝が今までなかったようで意外ですね。準決勝では西田拓也五段を相手に200手を超す相入玉模様の大熱戦を制し、決勝では絶対王者の藤井竜王名人を相手に意表の矢倉で挑み難解な終盤を見事勝ち切られました。昨年の王座戦の雪辱を果たすことができました。久しぶりに藤井竜王名人が敗れる将棋を観た気がします。今日の永瀬九段は強かったですね。お見事でした。
さて今回は、私の対局をご紹介しようと思います。私が先手番で矢倉調の将棋となりました。
初手から
▲2六歩 △3四歩 ▲4八銀 △4二銀
▲2五歩 △3三銀 ▲3六歩 △6二銀
▲4六歩 △6四歩 ▲3七桂 △3二金
▲7六歩 △6三銀 ▲7八銀 - 図1
先手番となった私は、飛車先の歩を突き進めお相手の出方を窺いました。▲2五歩とした局面では、△3三角と受けて振り飛車と雁木の両方の含みを持たせる指し方もありましたが、本局は△3三銀と受けて矢倉を明示されました。以降は▲3七桂~▲7六歩と攻めの体制を築きつつ、守りは▲7八銀(図1)と左美濃に進めました。
図1から
△5四銀 ▲5八金右 △4四歩 ▲4七銀
△8四歩 ▲5六銀 △8五歩 ▲7七角
△7四歩 ▲6八玉 △5二金 ▲7九玉
△4一玉 ▲9六歩 △9四歩 ▲1六歩
△7三桂 ▲4八飛 △3一玉 - 図2
序盤の駒組が進みます。お互いが腰掛銀に構え4五・6五の地点からの攻めを狙います。後手からおもむろに飛車先を進めてこられましたが、▲7七角と左美濃の形をキープしながら玉の逃げ道を確保して味良く受けます。▲4八飛と右四間飛車に構え、こちらの駒組はほぼ完成形となりました。お相手の△3一玉(図2)をみていよいよ開戦しどころになりました。
図2から
▲4五歩 △6五桂 ▲6六角 △8六歩
▲同 歩 △4五歩 ▲同 銀 △同 銀
▲同 桂 △4四銀 ▲2四歩 - 図3
△同 歩 ▲2三歩 △同 金 ▲7三銀 - 図4
図2の局面でもう一手▲1五歩と端を詰める手もあるかなと思いましたが、後手の2筋が壁になっているので、ここで戦いを起こした方が良いかなと思っていました。▲4五歩から開戦してから銀交換となりつつ互いに桂馬を跳ねる激しい攻め合いとなりました。△4四銀と桂先の銀で受けてこられたのに対して、悩みましたが▲2四歩と角頭に突っかけていきました。歩を渡すので微妙かなとも思いましたが、AI先生的には最善だったようです。▲2三歩打~△同金として後手の守りを薄くしてから、▲7三銀打といわゆるB面攻撃でいきました。
図4から
△8六飛 ▲8七歩 △7六飛 ▲6四銀成 - 図5
△4七歩 ▲同 飛 △4六歩 ▲同 飛
△5五銀打 ▲同 角 - 図6
後手も8筋の飛車を捌き△7六飛と横歩を取ってきました。ここで▲6四銀成と桂取りに成り替え、後手は暴れざる得ない局面となりました。早速△4七歩~△4六歩と飛車先を叩いてから強く△5五銀打とされてきました。飛車角両取りの厳しそうな一手でしたが、こちらも強く▲5五同角がありました。△5五同銀には▲7六飛と後手の飛車をス抜く手があり、猛攻を何とか凌げそうかなとみていました。
図6から
△4六飛 ▲同 角 △4五銀 - 図7
▲6一飛 △4一歩 ▲4二歩 △同 金
▲4三歩 △同 金 ▲5二銀 △4二金
▲5三成銀 △5二金 ▲同成銀 - 図8
△8八角成 ▲同 玉 △7六桂 ▲9八玉
△2二玉 ▲5五角 まで先手の勝ち
後手の猛攻を何とか凌いだかとみていましたが、飛車交換の後△4五銀(図7)と桂馬を取りながら味良く角筋を通されてきました。一気に終盤戦です。ここで角を逃げていては、一手遅れるとみて▲6一飛と王手で打ち下ろし、△4一歩の受けにも▲4二歩打と執拗に4筋から攻めていきました。後手としては2筋が壁となっているのが痛かったです。▲5ニ銀打~▲5三成銀(図8)が決め手で、△5三同金は▲4一飛成の詰みをみています。そこで後手も△5ニ金と駒を補充してから最後の猛攻をしてきましたが、駒が足らず何とか余すことができ勝つことができました。
一局を通して、序盤の駒組の段階でお相手が壁形となっており若干指しやすくなっていたと思います。これを突いて右四間飛車に構えて攻めていったのが良かったと思います。飛車角銀桂を使って▲4五歩からの攻めは破壊力満点です、右四間飛車で貫けない囲いは無いかもしれませんね。
今回は、この辺りで失礼します。
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