香車は下段から

将棋のブログ。プロ棋戦、自戦記、戦型考察等々。

自戦記27 相掛かり 相中住まい

こんにちは

A級順位戦の中継を見ながら記事を書いています。中村太地八段が待望の1勝目をあげました。同い年でライバル的な存在の佐藤天彦九段を相手に後手番での1勝は大きいですね。順位戦はこれから中盤戦になっていきますが1勝の重みが徐々に増していくのだと思います。

www.youtube.com

 

今回は、久しぶりに私の対局をご紹介しようと思います。私が後手番で相掛かりの将棋となりました。以下後手番目線の局面図を示します。

 

初手から

▲2六歩    △8四歩    ▲2五歩    △8五歩    

▲7八金    △3二金 ▲2四歩    △同 歩    

▲同 飛    △2三歩    ▲2六飛 - 図1   

最近は相居飛車の後手番の場合、相掛かりもしくは横歩取りの将棋にすることが多いです。角換わり腰掛銀は、AI定跡をどこまで知っているかの勝負になりそうでハードルが高いです。本譜は、相掛かりでお相手の先手が早速飛車先の歩交換をして浮き飛車に構えてこられました。

 

図1から

△1四歩 ▲1六歩    △7二銀    ▲5八玉    

△6四歩    ▲3八銀    △6三銀 ▲3六歩    

△3四歩 - 図2   

先後に関わらず、相掛かりで浮き飛車にされた場合は飛車の横利きが強いため棒銀は上手くいかないイメージがあります。そこで、△6七銀とあがり機を見て浮き飛車にプレッシャーをかけていくイメージで指すようにしています。

 

図2から

▲3七桂    △5二玉    ▲7六歩    △8六歩

▲同 歩    △同 飛    ▲4八金    △7四歩    

▲4六歩    △7三桂 ▲4七銀    △6二金    

▲5六銀    △8一飛    ▲8七歩 - 図3   

先手の▲3七桂を見て△5ニ玉と中住まいとすることにしました。その後双方似たような陣形になりましたが、先手▲5六銀の腰掛銀は積極的です。こちらも飛車先の歩を切り、△7三桂~△8一飛と途中下車無しに飛車を好位置に引き付けることができちょっと得した気分です。

 

図3から

△8八角成 ▲同 銀    △4二銀    ▲4五銀    

△3三銀    ▲5六角    △5四銀 ▲3四銀    

△同 銀    ▲同 角    △2四銀 - 図4   

先手の腰掛銀の動きに備えて、こちらから角交換をして△4ニ銀としましたが、それでも先手から▲4五銀~▲5六角打として2筋を攻めてこられました。3四の地点で銀交換となった局面は、先手の角と飛車で2三の地点からの突破を狙われています。本譜△2四銀打としたのですが感触の悪い手でした。AI先生は代わって△2四歩を推奨されていました。柔らかいで▲同飛に△3三銀打の飛角両取りを狙っているのだと思います。勉強になる手です。

 

図4から

▲7五歩    △同 歩 ▲7四歩    △6五桂    

▲6六歩    △4四角    ▲2四飛    △同 歩

▲6五歩    △2九飛 - 図5   

中盤戦です。先手から7筋の桂頭を攻めてこられましたが、手順に△6五桂と跳ねて行きました。7筋は6ニの金が備えているので先手の歩が伸びてきても心配していませんでした。▲6六歩に対しても飛車取りの△4四角打のカウンターがありました。飛車を逃げると打ったばかりの6六歩を取られるのが面白くなかったのか、先手の方は飛車を切る猛攻にこられました。

 

図5から

▲4九銀    △1九飛成  ▲4五歩    △5五角 

▲4四桂    △6三玉    ▲6四歩    △同 角    

▲3二桂成  △4六香 - 図6

飛車と銀桂の2枚替えでしたが、△1九飛成で香車を取り駒損を回復しました。これに対して、先手も▲4五歩~▲4四桂打と部分的には厳しい王手をかけてきましたが、3ニの金はただで取られてしまいますが△6三玉と中段に玉を上がった形は寄りにくいのではと思っていました。

 

図6から

▲4四歩    △4八香成  ▲同 銀    △3八金    

▲5九金    △3七金 ▲6九香    △6五歩    

▲4三歩成  △4六桂 - 図7

局面は終盤と言ってよいと思います。図6の△4六香は歩で受けることができず厳しいです。先手の8筋は壁銀となっており、先手玉の右側から攻める方針で行きました。こちらの角頭を攻めようと▲6九香打としてこられましたが、丁寧に△6五歩としてサプライズは起きません。

 

図7から

▲6八玉    △4八金 ▲同 金    △5九銀    

▲7九玉    △4八銀成  ▲7七銀    △7四玉

▲4四と    △5八桂成  ▲5四と    △6九龍    

▲8八玉    △5四歩 ▲7六歩    △8六歩 - 図8   

こちらが優勢の局面です。△4八金~△5九銀打として先手玉を左側から追っていきました。途中壁銀を解消する▲7七銀の一手が必要だったのは先手痛かったです。これに対して、こちらも△7四玉として目障りな歩を回収して万全を期しました。▲7六歩と玉頭から反撃に来られましたが、カウンターで△8六歩打として寄せを目指しました。

 

図8から

▲7五歩    △同 角    ▲8六銀    △同 角 - 図9
▲同 歩    △8七歩    ▲同 金    △7八金    

▲同 角    △7九銀 まで後手の勝ち

最後は玉頭での攻防となり、角を切る△8六角が決め手となりました。先手は止む無く▲同歩としましたが、以下は△8七歩打から即詰みとなりました。

一局を通して、図4~図5の攻防で飛車を手にできたのが多きかったです。一瞬二枚替えの駒損になりましたが、飛車の力が強くすぐに駒得となりました。また、相手の攻めをいなして中段玉に逃げていき寄りにくい形にできたのも良かったのかと思います。

 

今回は、この辺りで失礼します。

 

↓↓↓ランキング参加中です↓↓↓バナーボタンを押して頂けると励みになりさいわいです。