香車は下段から

将棋のブログ。プロ棋戦、自戦記、戦型考察等々。

第82期名人戦・順位戦

こんにちは

昨日から今期の棋聖戦開幕局が行われる藤井聡太棋聖佐々木大地七段がベトナム・ダナン入りされてますね。時差2時間で異なる気候での対局となり、特にタイトル戦で全国各地を転戦されている藤井棋聖の体調管理面が気になるところです。第一人者の宿命で、これを乗り越えなければ八冠全制覇は見えてこないのも事実です。明日の第一局に大注目です。

times.abema.tv

 

さて今回は、先日発表された第82期名人戦順位戦の組合せを見ていこうと思います。

www.shogi.or.jp

 

C級2組

55名の最大の大所帯で、昇級者は3名となります。この中で棋聖戦王位戦でダブル挑戦をされている佐々木大地七段は大本命だと思います。いまだにC級2組にいることは、将棋界の七不思議のひとつです。早く上に上がっていって欲しいと思っておられる方も多いのではないでしょうか。これに次ぐ対抗は、新婚の本田奎六段と八代弥七段と予想します。レーティングも高く、もっと上のクラスにいてもおかしくない方々です。大穴には、藤本渚四段をあげたいと思います。昨年度四段昇段され、順位戦は初参加となります。今年度に入ってから5連勝中で勢いがあり、年間を通して駆け抜けられるか注目です。

佐々木大地七段 佐々木大地|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

〇本田奎六段 本田奎|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

〇八代弥七段 八代弥|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

▲藤本渚四段 藤本渚|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

 

C級1組

31名が在籍されており、3名が昇級されます。勢いのある若手が多くいるように見受けられます。本命は、昨年度9勝1敗の好成績にも関わらず順位の差で昇級を逃した伊藤匠六段だと思います。当たりはそれほど楽でなありませんが、初戦の出口六段との一戦がいきなり山場となります。対抗には、C級2組から昇級されたばかりの服部慎一郎六段をあげたいと思います。常に高勝率をあげられており、新人王も獲得されていて実績も十分です。最終戦の出口六段との一戦が大一番になる可能性がありますね。その他の候補は、普通であれば出口六段をあげるところですが、当たりがきついように見えます。開幕3連戦で伊藤六段、都成七段、三枚堂七段に当たり、後半も古賀五段、服部六段と当たります。そこで、順位は悪いですがC級2組からの昇級組からもう一人斎藤明日斗五段を候補に挙げたいと思います。最近、実力を付けられてきてレーティング急上昇中ですね。大穴には、三枚堂達也七段をあげたいと思います。桂馬の貴公子の異名を持ち、当たりもそれほどきつくなく順位もそれほど悪くなく上を十分狙える位置にいますね。

◎伊藤匠六段 伊藤匠|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

〇服部慎一郎六段 服部慎一郎|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

〇斎藤明日斗五段 斎藤明日斗|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

▲三枚堂達也七段 三枚堂達也|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

 

B級2組

28名が在籍されており、3名が昇級されます。このクラスは、20歳前後の若手がいなくて、タイトル経験者や近年までA級・B級1組にいたようなベテラン・中堅の実力者が揃っているといった印象です。予想が難しいです。とびぬけている方が居ないように思えます。長考の末本命は、高見泰地七段をあげたいと思います。叡王1期獲得されている実力者で、伸び代もまだあると見ます。終盤での怪しい妖術が魅力ですね。対抗は、同じく伸び代という観点から渡辺和史六段と青島未来六段をあげたいと思います。いずれもC級1組からの昇級組で、一期抜けもあると思います。大穴には、久保利明九段をあげたいと思います。B級1組から降級されてのB級2組参加ですが、実力的にはまだ上のクラスにいてもおかしくないと思います。捌きのアーティスト、粘りのアーティストは健在かと思います。

◎高見泰地七段 高見泰地|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

〇青島未来六段 青嶋未来|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

〇渡辺和史六段 渡辺和史|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

久保利明九段 久保利明|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

 

B級1組

鬼の棲み処のB級1組、鬼しかいません。運不運の無い、総当たり戦で2つの昇級枠を争います。本命は、レーティングも高く、好調を維持されている羽生善治九段をあげたいと思います。昨年度は、順位戦でこそ星が集まりませんでしたが、他の棋戦ではタイトル挑戦をされるなど完全に復調されていますね。対抗には、近藤誠也七段をあげたいと思います。前期は前半で4連敗して昇級レースから脱落したと思われたのですが、そこから怒涛の8連勝を飾り、今期順位も3位の好位置となっています。居飛車本格派で実力も十分でしょう。大穴として、澤田真吾七段をあげたいと思います。昨年度B級1組に初参加され、最終局で勝っていれば一期抜けのところまでいかれました。今期順位も4位と好位置にいるので十分チャンスがあるのではと見ます。

羽生善治九段 羽生善治|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

〇近藤誠也七段 近藤誠也|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

▲澤田真吾七段 澤田真吾|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

 

A級

順位戦の最高峰A級は、10人の総当たり戦で藤井聡太名人への挑戦権をかけた戦いが繰り広げられます。当然ながら、強い方しかいません。皆さんまずは、残留を目指した戦いとなるのだと思います。予想が難しいのですが、本命は豊島将之九段をあげたいと思います。隙の差し回しに定評があり、今期は将棋フォーカスの講師も務められ心機一転といった感じでしょうか。先日の対局で見せた三間飛車も新境地でさらなるモデルチェンジに挑戦されているように見えます。対抗は、永瀬拓矢王座ですね。鬼軍曹は間違いなく自信の持つ王座のタイトルを死守するとともに藤井名人の持つ名人位も虎視眈々と狙っていると思われます。大穴には、佐々木勇気八段をあげたいと思います。これまでA級初参加でそのまま名人に挑戦されたかたも多くおり(羽生九段、森内九段、稲葉八段等)、佐々木八段の切れ味鋭い将棋がどこまでA級で通用するか注目です。

豊島将之九段 豊島将之|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

永瀬拓矢王座 永瀬拓矢|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

佐々木勇気八段 佐々木勇気|棋士データベース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)

 

全クラスを見てきました。クラスによって在籍される棋士に特徴があるというのが新発見でした。棋士の皆様におかれては、一年間の長丁場で行われるため、作戦選択、モチベーションの維持、体調管理等苦労が絶えないのではと察します。観る側からしたら、これから始まる順位戦が楽しみでなりませんね。来年3月にどういった結果となっているでしょうか。

今回は、この辺りで失礼します。

 

↓↓↓ランキング参加中です↓↓↓バナーボタンを押して頂けると励みになりさいわいです。