香車は下段から

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自戦記18 対後手三間飛車 居飛車穴熊

こんにちは

名人戦第3局は、このレポートを作っている現在一日目の午後ですが長考合戦で指し手がなかなか進みませんね。矢倉対雁木の戦形で双方が仕掛けのタイミングを探っているような感じです。

第81期名人戦 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

さて、今回は私の将棋をご紹介しようと思います。私が先手番でお相手の方が三間飛車の将棋となりました。

 

初手から

▲2六歩    △3四歩    ▲7六歩    △4四歩    

▲4八銀    △4二銀 ▲2五歩    △3三角    

▲6八玉    △4三銀    ▲5八金右  △3二飛 - 図1

序盤後手の指し手は振り飛車、雁木どちらの可能性もあるので、▲4八銀~▲5八金とどうにでも対応できるよう指し手を進めました。図1の局面で、△3ニ飛とされ対抗形の将棋となりました。

 

図1から

▲7八玉    △6二玉    ▲7七角    △5四銀    

▲6六歩 - 図2

後手三間飛車に対しては、以前考察もしましたが居飛車穴熊を目指すようにしています。後手は、ちょっと早いタイミングで△5四銀と上がってこられました。じっくり駒組を進める方針で▲6六歩として後手の銀の動きに対応しました。

 

図2から

△9四歩 ▲8八玉    △7二玉    ▲9八香    

△7四歩    ▲9九玉    △7三桂 ▲6七金    

△9五歩    ▲8八銀 - 図3   

最近は、9筋の端歩を受けるようにしているのですが、本譜は後手からの打診を無視して居飛車穴熊に組み上げました。この間、後手は△9五歩と端を詰め△7三桂と急戦を匂わせてきました。

 

図3から

△6四歩    ▲5六歩    △4五歩 ▲8六角    

△6二飛    ▲5七銀 - 図4   

駒組が進みます。▲8六角と覗いた手に対して後手は△6二飛と回ってこられました。後手玉飛接近で好形ではありませんが、6筋に後手の攻め駒の利きが集中して迫力満点です。そこで▲5七銀とこちらも備えました。

 

図4から

△5二金左  ▲7八金    △8一玉 ▲1六歩    

△8二銀    ▲3六歩    △7一金    ▲3八飛    

△4四角 - 図5

後手から戦いを起こすかとみていましたが、やはり玉飛接近を嫌ったのかミレニアム風に玉を深く囲ってこられました。こちらから明快な攻め筋があればよいのですが、見つけられず▲3八飛~△4四角は様子見といった感じでした。

 

図5から

▲2八飛    △3三角    ▲3八飛    △4四角    

▲5九角 △6五歩 - 図6

本譜こちらからの上手い攻め手が見つからず作戦負けのように感じていました。▲5九角と角の転換を図った手に対して、タイミング良く△6五歩と開戦してこられました。いよいよ中盤戦です。図6の局面をAI先生は‐324後手有利と評価されていました。

 

図6から

▲同 歩    △同 銀    ▲6六歩    △同 銀    

▲同 銀    △同 角 ▲同 金    △同 飛    

▲5五角    △6九飛成  ▲3七角上  △2九龍

▲6八飛 - 図7

6筋での金銀角の交換後、後手の飛車に成られてしまいましたが、こちらも手に乗って▲5五角打~▲3七角~▲6八飛と大駒を捌いていきました。駒割は、角と金桂歩の交換で後手駒得でやはり居飛車苦戦です。

 

図7から

△6六歩    ▲7三角成  △同 銀    ▲同角成    

△8二銀 ▲7四馬    △6三金打  ▲同 馬    

△同 金    ▲6六飛 - 図8   

図7の局面で後手△6六歩打と怪しく歩を垂らしてきましたが、ちょっと緩手だったかもしれません。2枚の角で後手の銀桂を食いちぎり、馬に当てて打ってきた△6三金もさらに食いちぎって▲6六飛と捌いた局面はちょっと形勢を戻した感じです。

 

図8から

△6四歩 ▲5五桂    △7三金    ▲6三金    

△5四桂    ▲6八飛    △6六角 ▲7三金    

△同 銀    ▲6三桂成  △8二金打  

▲7九銀打 - 図9

先手玉を狙った角打の筋を未然に緩和しつつ金取りに▲5五桂打として、さらに▲6三金打していきましたが重かったかもしれません。後手は、飛車取りの△5四桂打から△6六角打として先手の飛車の利きを遮りつつ先手玉に狙いをつけてきました。こちらも▲7三金~▲6三桂成と後手陣に侵入し後手が△8二金打と守った手に対して▲7九銀打と囲いに手を入れました。図9の局面は、駒割が角と銀歩の交換でほぼ互角、後手歩切れ、玉の囲いは先手の方が堅く、手番は後手、AI先生は互角と評価されていました。

 

図9から

△5七角打 ▲6九歩    △1九龍    ▲7五銀    

△同 角    ▲同 歩    △7六香 ▲7三成桂  

△同 金    ▲7四歩 - 図10

後手の△5七角に対する▲6九歩の底歩で先手陣がかなりしっかりして、攻めに専念できる態勢のなりました。▲7五銀打で後手の角を取りつつ7筋の歩が後手陣に進み好調です。後手も歩の裏側から△7六香打と反撃されてきましたが、▲7四歩突きが痛打です。△7四同金は▲6三角打の王手金取りがあり、無視して△7八香成も▲7八同飛とした手が手順に後手玉頭へ利いてきます。

 

図10から

△7二金引  ▲7三銀    △6八角成 ▲7二銀成  

△同 金    ▲7三金    △7一銀    ▲6一角    

終盤戦です。▲7四歩と拠点ができた後は、自陣を顧みずにひたすら後手玉頭目指して駒を投入していきました。△6八馬と飛車を取ってこられましたが、穴熊には全く響きません。ひたすら攻めます。穴熊の暴力です。

 

図11から

△6三銀 ▲7二角成  △同銀引    ▲6二金打  

△7八香成  ▲7二金寄  △9二玉 ▲7八銀 - 図12   

△6七角    ▲6八歩    △8九龍    ▲同 銀    

△同角成 ▲同 玉    △7八銀    ▲同 玉    

△6六桂打  ▲6七玉    △5七金 ▲同 玉    

△5九飛    ▲6七玉    △5八飛成  ▲7六玉    

△8四桂 ▲8五玉    △7二銀    ▲9四香

まで先手勝ち

後手玉を端に追いやり▲7八銀と香車を取った手がぴったり詰めろで決め手となりました。最後は、後手から王手ラッシュをされましたが先手玉に詰みは無く勝ち切ることができました。

一局を通して、序盤の駒組で作戦負けとなり中盤は苦しい状況でしたが、途中自陣に手を入れ我慢したのが良かったです。終盤は、穴熊の自陣を見る必要が無く、拠点を作って単純に駒を投入していく穴熊らしい指し回しができたと思います。

今回は、この辺りで失礼します。

 

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