こんにちは
名人戦第3局が始まっていますね。ここまで藤井竜王の2連勝、渡辺名人に黄色信号が点滅しています。先手番渡辺名人の作戦が注目されましたが、初手2六歩から角換わりの将棋に誘導したところ、藤井竜王が△4四歩と角交換を拒否する作戦を選択しました。これに観る将界隈がざわついていますね。やねうら王さんのTwitter等で周知のとおりAIの世界では角換わり先手必勝がほぼ確立されてるみたいですし、藤井竜王もそういった結論づけをされているのか?この週末2日間は、目が離せません。
角交換と言う戦型が終わった。
— やねうら王 (@yaneuraou) 2023年5月8日
1886局面の指し手を覚えるだけで先手側は公開されてる水匠(探索局面数は1億までの任意)に対して評価値+300に出来ることが証明された。
大会で上位のソフトは+300から逆転は97%ぐらいありえないので(手数で引分はある)つまりは将棋AIの世界では角交換の後手は必敗。
前回および前々回に引き続き横歩取り4五角戦法で後手△8七銀に対する指し手をAI先生と考察しようと思います。前2回は、△8七銀に対して▲7七馬と引きつけ後手の攻めを手厚く受ける手順を調べて、先手有利に進めることができました。今回は、先手爽やかに▲8七同金とする手を見ていこうと思います。
初手から
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩
▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △8八角成
▲同 銀 △2八歩 ▲同 銀 △4五角
▲2四飛 △2三歩 ▲7七角 △8八飛成
▲同 角 △2四歩 ▲1一角成 △8七銀
▲同 金 - 図12
△7九飛 ▲6九香 △6七角成 ▲5八銀
△8九馬 - 図13
△8七銀はただで取れるのですが、金が上ずり△7九飛打とされる手が怖いところです。王手に対して▲6九香打と受けますが、△6七角成と追撃が来ます。▲6七同香は飛車で玉が巣抜かれてしまいますし、受けなければ次に△4九馬~△6九飛成を狙っています。そこで先手は▲5八銀打としてしっかり受ける必要がありそうです。図13の局面は、駒割が桂と香歩の交換でそれほど差が無く、後手陣に先手攻めの手掛かりがあまりなさそうなのに対して先手陣には後手の大駒2枚がにらみを利かしています。ただ、先手陣の守りは▲6九香打~▲5八銀打で大分しっかりしたように見えます。AI先生は、この局面を+487先手有利と評価されています。すでに終盤戦、もう少し見ていきます。
図13から
▲4八玉 △3三桂 - 図14
先手は一旦▲4八玉と居玉を避けます。この手によって先手玉が後手の飛車筋から避けることでき、▲6九香が敵陣を睨んで攻め駒としても活用が見込めそうです。後手は、△3三桂として△4五桂と先手玉頭目掛けて跳躍する手を狙いつつ、先手▲1一馬の利きも遮ります。図14の局面で手番の先手は、盤上の▲1一馬と▲6九香、持ち駒の飛車を使って攻めていきたいところです。歩を4枚も持っており、2筋、6筋、8筋と使える場所が多いのも心強そうです。
図14から
▲8二歩 △同 銀 ▲2一馬 △2三馬 - 図15
先手▲8二歩として後手の銀を玉から離してから、じっと▲2一馬と寄ります。これは次に▲1一飛打~▲3ニ馬を狙っています。これに対して後手は△2三馬と引きつけ先手の狙いを先受けします。
図15から
▲6二歩 △同 金 ▲6三香成 △同 金
▲7二飛 △6二香 ▲8二飛成 - 図16
先手攻めの継続を図ります。図14の局面後手陣の3筋が壁になっているので、▲6二歩と逆から攻めるのが本筋の手といった感じです。これに△6二同玉は、△4一飛打として次に▲6三香成~▲6一飛成もしくは、▲6一飛成~▲6三香成を狙います。そこで、△6二同金としますが▲6三香成~▲7二飛と攻めます。事前に▲8二歩として後手の銀が守りに利いていないのが後手痛いところです。図16の局面は、先手はっきり良さそうで、AI先生も+726先手有利と評価されています。
長くなりました。今回をここで一区切りしたいと思います。△8七銀に対して▲8七金とする手順を考察してきました。先手は守りを補強した後は爽やかに比較的わかりやすく攻め続けることができました。従来の▲7七馬とする一手以上に有力な一手に思えます。
今回は、この辺りで失礼します。
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