こんにちは
将棋界にとても明るいニュースが飛び込んできましたね。
本田奎六段と山根ことみ女流二段が入籍｜将棋ニュース｜日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
本田奎六段は、順位戦こそC級２組ですが勝率・レーティングが高く、プロになって初参加の棋王戦でいきなり挑戦者になるなど将来が期待されている若手のお一人です。お相手の山根ことみ女流二段は、タイトル挑戦もある女流トップ棋士のお一人です。とてもめでたいことです。
本田奎｜棋士データベース｜日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
山根ことみ｜女流棋士データベース｜日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
さて、今回は久しぶりに考察レポートをあげようと思います。タイトルにある通り、対ゴキゲン中飛車への対策です。一般に、銀を足早に▲３七銀～▲４六銀と進める”超速銀”が優秀で数多くの棋書も出されていますが、”超速銀”に対する対策も多くあると思います。今回考察するのは”４七銀急戦”という指し方で、ゴキゲン中飛車側の対応次第では簡単に有利に進めることができると思います。
ちょっと古めですが、下記動画もご参考下さい。
初手から
▲２六歩 △３四歩 ▲７六歩 △５四歩
▲４八銀 - 図１ △５二飛 ▲４六歩
△５五歩 ▲４七銀 - 図２
先手が居飛車、後手がゴキゲン中飛車です。図１が最初のポイントで先手飛車先の歩は▲２六歩で止めて銀の前進を優先します。そうすることにより、後手からの△５五歩に対して▲４七銀と受ける手を間に合わすことができます。また、▲２五歩～△３三角の交換を入れないことにより、後手△４ニ銀と上がりにくくもしています（△４ニ銀の瞬間▲５六歩と突かれ（図A）、△２二角が浮いているため△５六同歩とできない）。
図２から
△６二玉 ▲６八玉 △７二玉 ▲５八金右
△３三角 ▲７八銀 △４二銀 ▲７七銀
△５三銀 ▲６六銀 △５四銀 ▲３六銀 - 図３
先手は、▲５八金と玉の囲いを最低限にすませて、左の銀も前線に繰り出して行きます。▲６六銀～△５四銀と後手が５五の位を守った手を見て、今度は右銀を前線に繰り出し後手の角頭も狙っていきます。この右銀の動きを可能にするため▲２五歩と▲３六歩を保留するのが２つ目のポイントです。
図３から
△４四歩 ▲２五銀 - 図４ △３二金
▲３四銀 △２四角 ▲４七金 - 図５
図３の局面では、△３ニ金が最善手だと思います。それ以外の手では本譜のように▲２五銀（図４）と上がられて後手困っていると思います。△４三銀と角頭を守ると▲５五銀と歩を取られますし、△３五歩と逃がすと▲３四銀と進められ角をイジメられます。この時に後手の金が△３ニ金と上がっていれば△３三角を逃がすだけで済みます。本譜は私の実戦からの一例ですが、後手の△３ニ金が一手遅れている感じで▲３四銀と一歩得で先手十分かなと思います。
図５から
△４五歩 ▲同 歩 △同 銀 ▲同 銀
△５六歩 ▲４六歩 - 図６ △３三桂
▲５六銀 まで先手勝ち
本譜は、後手が△２四角のにらみを活かして猛攻してきましたが、▲４六歩打として後手の攻めが余すことができました。
図３から
△３二金 ▲２五銀
a) △３五歩 - 図B
b) △５六歩 ▲同歩 △６五銀 - 図C
戻って図３の局面で△３ニ金と備えた場合、以上の手順でまだまだこれからの将棋に思います。図Cの局面では、▲同銀と取って▲４一銀と後手飛金の割打ちを狙いたいのですが、△８八角成と角を取られてしまいます。さか戻って図３手前の▲３六銀と上がる前に一手▲７八玉と寄って角にひもを付けた方が良いのかもしれません。
以上、ゴキゲン中飛車に対する４七銀急戦を考察しました。左右の銀でフットワーク軽く５五歩と３四歩を狙っていく指し手は小気味良い感じです。ゴキゲン中飛車側は、△３ニ金等の対応が遅れると簡単に先手が指しやすくなるので注意が必要ですね。
今回は、この辺りで失礼します。
