香車は下段から

将棋のブログ。プロ棋戦、自戦記、戦型考察等々。

自戦記16 対後手四間飛車 金無双急戦

こんにちは

ABEMAトーナメント2023の予選Aリーグが終了してチーム永瀬とチーム稲葉の勝ち上がりが決まりましたね。予選Aは、まさに”死のリーグ”で豊島九段・木村九段といったエース級お二人を擁するチーム豊島でも予選突破が叶いませんでした。チーム稲葉との戦いで見せた木村九段の執念・粘り強さにとても感動しました。決勝トーナメントでチーム豊島が見れないのは残念でなりません。

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さて、今回は私の将棋をご紹介しようと思います。私が先手番で対抗形の将棋となりました。

 

初手から

▲2六歩    △3四歩    ▲7六歩    △4四歩    

▲4八銀    △3二銀 ▲2五歩    △3三角    

▲6八玉    △4二飛    ▲5六歩    △5二金左

▲7八玉    △7二銀    ▲5七銀    △4三銀    

▲5八金右 - 図1

お相手の方の角道を止めたノーマル四間飛車となりました。居玉のまま△7二銀~△5ニ金~△4三銀と藤井システム調の構えでこられました。こちらはオーソドックに囲いを進め、まだ持久戦、急戦いずれの余地も残しています。

 

図1から

△6二玉 ▲3六歩    △7一玉    ▲1六歩    

△8二玉    ▲3七桂    △9四歩 ▲9六歩    

△5四歩    ▲2六飛    △6四歩    ▲6八金上  

△7四歩 - 図2

▲3六歩からの急戦で行くことにしました。後手が△8二玉と深く玉を収める間に、▲1六歩~▲3七桂~▲2六飛~▲6八金上と金無双急戦の形に構えました。△4三銀型の四間飛車には有効だと思っています。△7四歩とされたところで仕掛けていきます。

 

図2から

▲3五歩    △3二飛    ▲4六銀    △6三金    

▲5五歩    △同 歩 ▲同 銀 - 図3

中盤戦です。▲3五歩から仕掛けます。△3ニ飛と戦いの起こった筋に飛車を振ってこられましたが、△3五同歩の場合は大胆に▲4五桂(図A)と歩頭に跳ねて行くのが良くある手順です。本譜▲4六銀と力をためて、▲5五歩から中央に矛先を変えました。図3は次に▲3四歩~▲4四銀と銀を捌く手を狙っています。

以下、△同歩 ▲3三角成 △同桂 ▲2四歩で2筋突破と▲3四歩の桂頭攻めが狙い

 

図3から

△5二飛    ▲2四歩    △同 歩    ▲3四歩    

△5一角 ▲2二歩    △同 飛    ▲4四銀    

△同 銀    ▲同 角    △3三歩 - 図4

▲2四歩の突き捨てから順調に駒を捌いていきます。銀交換をしながら飛車取りに▲4四同角と進めた辺りは形勢的には良いだろうと思っていました。AI先生も図4の局面を+766先手有利と評価されていました。

 

図4から

▲4三銀    △7三桂    ▲2三歩    △同 飛    

▲3二銀不成△2二飛 ▲4一銀成  △6二角    

▲同角成    △同 飛    ▲2四飛    △5七歩 - 図5

図4の局面で指し手に悩みました。本譜▲4三銀と攻めの手掛かりを作っていったのですが、微妙な感じです。AI先生は、▲4三銀に代わり▲5六飛や▲4五桂を推奨されていました。以降角交換をして▲2四飛と捌いたところで、後手から△5七歩打と反撃にこられました。

図5から
▲同金直    △6五桂    ▲5六金    △2三歩    

▲同飛成    △1四角 ▲2一龍    △4七角成  

▲5七歩    △3七馬    ▲5五桂    △7三金

▲6六歩 △5四歩    ▲4三桂成  △5五歩    

▲5三成桂   - 図6

終盤戦です。飛車が成り込むことができましたが、▲2一龍と▲4一成銀が重い形です。▲5五桂と後手の角筋を止めつつ守備の金取りに打っていきましたが、△7三金と寄られなかなか戦果が挙げられなく苦しめです。△5五歩と金取りに対して▲5三成桂と飛車取りに寄せていきましたが、危ない手だったようです。AI先生は図6の局面を‐255互角と評価されていました。

 

図6から

△1二飛 ▲6五金    △同 歩    ▲5一成銀  

△同 金    ▲同 龍    △6一金 ▲2一龍    

△6六歩    ▲6五桂    △6七銀    ▲8八玉 - 図7   

△1ニ飛とされて救われました。構わず△5六歩と踏み込まれていたらこちらが苦しかったようです。以降重かった1段目の成銀を何とか捌き、後手の歩の裏側から▲6五桂と打っていきました。△6七銀打に対して▲8八玉と逃げて攻め合い勝ちが望めそうな局面です。

 

図7から

△7六銀不成 ▲7三桂成  △同 玉    

▲6一龍 - 図8   △同 銀    ▲6三金    

△8二玉 ▲7三角    △9三玉    ▲9五歩    

△8七銀成  ▲同 玉    △7五桂 ▲7六玉    

△8四桂    ▲同角成 - 図9 △同 歩    

▲9四歩 △8三玉 ▲7三金打  △9二玉    

▲9三歩成 △8一玉    ▲8二銀 

まで113手で先手の勝ち

後手の馬が攻守にそれほど働いていないのがつらいところです。後手玉を△7三玉と釣りだしたところで▲6一龍と決めにいきました。最後は、後手の猛攻に対して▲8四同角成と桂馬を食いちぎり、何とか勝ち切ることができました。

一局を通して、仕掛けのあたりまでは金無双急戦の狙い筋通りに進めて指しやすくなったのですが、そこから良い手を見つけられなかったのが反省点です。将棋の中盤は難しいです。

今回は、この辺りで失礼します。