こんにちは
朝日杯将棋オープン戦の二次予選が終了して、本戦トーナメント１６名の組合せが決まりましたね。注目の対戦がいくつかありますが、まずは前年覇者の藤井聡太竜王名人は斎藤慎太郎八段と対戦されます。対戦成績は斎藤八段の３勝６敗で、棋士の中では善戦している方でしょうか。他には、所司門下同士の渡辺明九段対近藤誠也七段戦や2019年の叡王戦で戦った永瀬拓矢九段対高見泰地七段戦などに注目しています。準決勝・決勝は例年２月に公開対局で行われます。楽しみですね。
第17回朝日杯将棋オープン戦＜本戦トーナメント＞ (shogi.or.jp)
さて今回は、今週（2023/12/17～12/23）の注目対局を確認したいと思います。
１２月１７日（日）
NHK杯テレビ将棋トーナメント３回戦第４局
斎藤慎太郎八段 対 増田康宏七段
関西を代表するA級棋士の斎藤八段と、今期B級１組で首位を走り来期A級入りの可能性の高い増田七段の一戦です。対局は既に放送されており、相掛かりの将棋を後手番の増田七段が勝利されました。中終盤やや苦しめの局面が続きましたが増田七段が一瞬のチャンスをものにして寄せ切りました。増田七段は次局準々決勝で八代弥七段と対戦されます。
斎藤慎太郎｜棋士データベース｜日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
増田康宏｜棋士データベース｜日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
１２月１９日（火）
順位戦A級６回戦
第82期名人戦・順位戦 七番勝負／Ａ級 (shogi.or.jp)
A級６回戦も最後の一局となりました。いずれも複数タイトル経験のある超重量級同士の対局です。いずれもここまで３勝２敗できており、名人挑戦にむけて一つの負けられない状況となっています。対戦成績は渡辺九段の２０勝９敗と大きく離れており、渡辺九段の戦略に永瀬九段が上手く対応できないていないようにみえます。本局先手番の永瀬九段が豊富な研究量を活かしてどんな作戦を用意してくるのか注目です。
渡辺明｜棋士データベース｜日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
永瀬拓矢｜棋士データベース｜日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
１２月２０日（水）
伊藤園お～いお茶杯第65期王位戦＜予選＞ (shogi.or.jp)
王位戦リーグ入りをかけた予選２組決勝の一局です。両者は、準決勝でそれぞれ広瀬九段、千田七段といったトップ棋士を破り勢いに乗って勝ち上がってきています。また、棋風も居飛車も振り飛車も使いこなすオールラウンダーで、どんな将棋になるのか予想が難しいです。さらに、対戦成績も４勝４敗の全くの五分です。大熱戦必至ですね。注目です。
佐藤和俊｜棋士データベース｜日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
石井健太郎｜棋士データベース｜日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
１２月２１日（木）
伊藤園お～いお茶杯第65期王位戦＜予選＞ (shogi.or.jp)
菅井竜也八段 対 藤本渚四段
予選６組決勝の一局です。非常に興味深い対戦で、現代振り飛車党ナンバー１の菅井八段に、新人戦準優勝・加古川清流戦優勝の実績を残し勝率も８割を超える成績を出している若手有望株の藤本四段が挑みます。これまで超一流棋士との対戦が無かった藤本四段の実力がみえてくるに違いありません。ABEMAトーナメントの超早指し棋戦では、渡辺九段、佐々木勇気八段といったトップ棋士に勝利されており、期待は高まります。王将戦挑戦を決めている菅井八段の振り飛車にどう戦うのか注目です。
菅井竜也｜棋士データベース｜日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
藤本渚｜棋士データベース｜日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
第49期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメント／五番勝負 (shogi.or.jp)
広瀬章人九段 対 伊藤匠七段
いよいよ大詰めの挑決二番勝負となりました。挑決トーナメントを無敗で勝ち上がり、あと一勝で挑戦者となれる広瀬九段が有利な状況ですが、今期竜王戦で初のタイトル戦登場を果たし益々パワーアップされている伊藤七段にも２連勝できる可能性は十分あるとみています。対戦成績は１勝１敗の五分で、実力は伯仲しています。展開的には、振り駒で伊藤七段が先手となると俄然面白くなると思っています。
今週は、この他にも竜王戦ランキング戦や叡王戦予選、B級１組10回戦等多くの対局が組まれています。目が離せませんね。
今回は、この辺りで失礼します。
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