香車は下段から

将棋のブログ。プロ棋戦、自戦記、戦型考察等々。

自戦記12 相掛かり02

こんにちは

名人戦が始まりましたね。毎年春の訪れとともに東京椿山荘で第一局が行われています。振り駒で先手となった渡辺名人の用意した作戦は、意外の角交換を拒否する雁木でした。藤井竜王の研究外だったと思いますが、上手く対応されて完勝だったのではないでしょうか。後手番で初見でも悪手を指さずバランスを保ってさせるのが凄いことだと思った次第です。以下AI先生の評価グラフです。

 

今回は、私の対局をご紹介しようと思います。私が後手番です。以下後手番目線の局面図を示します。

 

初手から

▲2六歩    △8四歩    ▲2五歩    △8五歩    

▲7八金    △3二金 ▲2四歩    △同 歩    

▲同 飛    △2三歩    ▲2六飛    △7二銀

▲3八銀    △9四歩    ▲9六歩    △1四歩    

▲7六歩    △8六歩 ▲同 歩    △同 飛    

▲8七歩    △8二飛 - 図1   

相掛かりの将棋になり、飛車先の歩交換から先手は浮き飛車に、私は自陣に飛車を引きました。

 

図1から

▲6八銀    △6四歩 ▲7五歩    △6三銀    

▲1六歩    △5二玉    ▲5六歩    △3四歩

▲7七銀    △6五歩    ▲3六飛    △8四飛    

▲4八玉 - 図2   

先手が▲7七銀と角道を止めたのに対して、△6五歩と位を取りました。これに対して▲3六飛と揺さぶりを掛けつつ玉を▲4八玉と右側に玉を進めました。力戦模様です。

 

図2から

△6二金 ▲3九玉    △6四飛    ▲2八玉    

△7四歩    ▲同 歩    △同 飛 ▲9七角    

△7三桂 - 図3   

駒組が進みます。先手は玉を美濃囲いに収めた後▲9七角と端角で覗いてきたのに対して、こちらは7筋の歩交換~△7三桂の活用とまずまずの駒組と思っていました。この局面をAI先生は‐163で互角と評価されていました。

 

図3から

▲7五歩    △5四飛    ▲8八角    △9五歩 - 図4

先手が▲8八角と引いたのに対して、7三桂を捌くために△9五歩と端歩を突いていきました。ただ相手玉と反対側を攻めていて非常に感触が悪い手でした。AI先生は、△9五歩に代えて△3五歩を推奨されていました(▲同飛とすれば△7六歩から角交換をして△7九角打で飛車金両取りを狙う)。見えてなかったです。▲3五同飛としなくてもこちらの飛車の横効きが良く通り本譜よりも全然良い感じです。

 

図4から
▲同 歩    △9七歩    ▲8六銀    △8八角成  

▲同 金    △3五歩 ▲4六飛    △7九角 - 図5   

こちらの△9七歩のたらしに対して▲8六銀と手筋で受けてこられましたが、角筋が開き勢い角交換となりました。手番を得て△3五歩と先手の飛車に働きかけて行ったのですが、これに対する▲4六飛が良くなかったようです。直後の飛車金両取りに打った△7九角の局面は、AI先生の評価で‐604後手有利に形勢が傾きました。

 

図5から

▲7八金    △4六角成  ▲同 歩    △3六歩

▲5五角    △3七歩成  ▲同 銀    △2二銀    

▲8二角    △3六歩 ▲同 銀    △5五飛    

▲同 歩    △6九角    ▲3八飛    △3七歩

▲同 玉 - 図6

終盤戦です。先手は▲5五角打~▲8二角打と2枚の角で攻めてこられました。こちらは、先手玉のコビン攻めから△5五飛と角を奪って△6九角と金銀両取りに打った局面は攻めが決まったと思っていたのですが、先手に▲3八飛打~▲3七玉と受けられ焦りました。

 

図6から

△5七飛    ▲2八玉 - 図7   

本譜△5七飛の王手に対する▲2八玉が良くなかったようです。ここでは、▲4八玉と飛車に当てながら引く方が難しかったです。以降一例として、△5六飛成~▲3九玉となった局面(図B)は、▲4七銀もしくは▲4五銀の龍金両取りの狙いもあり本譜より難しかったと思います。

 

図7から

△3六角成  ▲同 飛    △2七銀 ▲3九玉    

△3六銀成  ▲3七歩    △4七成銀  ▲9一角成  

△6九飛 ▲5九香    △同飛上成  ▲同 金    

△同飛成    ▲2八玉    △2四香 ▲2七歩    

△2九龍    ▲同 玉    △2七香成 - 図8 

▲2八飛    △3八金 ▲同 飛    △同成銀 

まで後手の勝ち

本譜は、△3六角成~△2七銀打で王手飛車が決まり勝負あったと思います。最後も安全に△2九龍~△2七香成で先手玉に必至をかけて勝ち切ることができました。

一局を通して、相掛かりの出だしからあまり見ない形となり、中盤相手玉と反対側の端を突いて攻めていったのはセンスが無く大反省です。終盤も相手の受けの手に気付いてない局面もありました。反省の多い一局でした。

今回は、この辺りで失礼します。