香車は下段から

将棋のブログ。プロ棋戦、自戦記、戦型考察等々。

自戦記11 対嬉野流

こんにちは

今週の4月6日からいよいよ第81期名人戦が開幕しますね。藤井竜王が最年少名人と七冠王を目指して渡辺名人に挑戦されます。藤井竜王名人戦と並行して菅井八段の挑戦を受ける叡王戦も戦っていきます。大きい対局が続きパフォーマンスを維持できるか注目です。

第81期名人戦 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

叡王戦中継サイト (shogi.or.jp)

 

今回は、私の対局をご紹介しようと思います。私が後手番で、お相手の方が”嬉野流”で指してこられました。以下後手番目線の局面図を示します。

 

初手から

▲6八銀    △8四歩    ▲5六歩    △8五歩    

▲5七銀    △8六歩 ▲同 歩    △同 飛    

▲7八金    △3四歩 - 図1

初手▲6八銀の嬉野流に対してこちらは早速飛車先の歩を切りました。▲7八金の受けに対して△8七歩と抑える指し方もあると思いますが無難に△3四歩と角道を開けていきました。

 

図1から

▲2六歩    △3二金 ▲2五歩    △3三角    

▲8七歩    △8五飛 - 図2

▲2五歩に対しては△3三角と先手の歩交換を拒否して、▲8七歩に対して△8五飛と高飛車に構えました。以降は雁木に構えて8五飛車の効きを生かして相手の攻めを抑える指し方を好んで指しています。この指し方をYouTubeで学びました。

youtu.be

 

図2から

▲7九角    △4二銀 ▲6六銀    △5二金

▲2四歩    △同 歩    ▲同 角    △同 角

▲同 飛    △2三歩    ▲2八飛    △4一玉    

▲6九玉    △6二銀 ▲4八銀    △3三銀    

▲5七銀上  △7四歩    ▲4六銀    △4四歩 - 図3

2筋での角交換の後、こちらは無難にカニ囲い~矢倉で上部を厚くして先手の2枚銀に対抗しました。

 

図3から
▲3六歩    △7三桂    ▲3七桂    △1四歩    

▲7六歩    △9四歩 ▲7五歩    △8四飛 - 図4

互角の形勢で駒組が進み互いの桂馬が跳ね戦闘態勢が整いつつありました。こちらが様子見で指した△9四歩に対して▲7五歩と仕掛けてこられ中盤戦となりました。この仕掛けに対して桂頭を受けた△8四飛は良くなかったみたいです。この手を境に評価値は先手有利に進んでいきました。ここでは、△6四歩(+268互角)をAI先生はご推奨されていました。

 

図4から

▲7四歩    △同 飛 ▲8二角    △7七歩 

▲同 銀 - 図A    △6五桂    ▲6六銀    

△7七歩    ▲同 桂    △同桂成 ▲同 銀    

△4五歩 - 図5

▲2二角と打ちこまれ駒損になりそうです。ここで△7七歩~△6五桂と捌いていきましたが、図Aのように△6五桂のところでは△4五歩が勝ったようです。本譜も後に△4五歩を指すのですが、持ち歩や相手玉の広さを見ても本譜の△4五歩のタイミングは良くなかったようです。

 

図5から

▲同 桂    △4四銀    ▲9一角成  △4五銀

▲同 銀    △5七桂    ▲5九玉 - 図6

先手の4六銀を強引に動かして狙いのふんどしの桂△5七桂を放ちますが後手苦戦の局面でした。ここで、▲7九玉と早逃げされていたら△4九桂成と先手玉と反対側に成らざるを得ず難局だったと思います。▲5九玉の局面はAI先生の評価で+647先手優勢ですが、こちらも王手で金を取ることができ若干希望が見えてきました。

 

図6から

△4九桂成  ▲同 玉    △3三桂 ▲6六桂    

△7一飛    ▲4六馬 - 図7   

△4五桂    ▲同 馬    △3七銀 ▲6八飛    

△5七角    ▲5九玉    △7七飛成  ▲同 金    

△7九銀 ▲7八金    △6八銀成  ▲同 金    

△3九飛    ▲5八玉    △4八角成 まで後手の勝ち

苦戦は続きますが△7七桂と遊び駒も活用して何とか食い下がり、図7の▲4六馬で評価値が後手側に大きく振れました。飛車に狙われた馬を自陣に引き付ける自然な手に見えましたが、AI先生は馬を見捨てて▲3四銀~▲4四桂打と攻めあう順(+1551先手勝勢)をご推奨されていました。以降先手の玉飛接近の悪形を突きつつ△7七飛成が決め手となって辛くも勝ち切ることができました。

一局を通して序盤・終盤はまずまずかなと思うのですが中盤の指し手が何とも良くないです感じです。一番鍛えるのが難しく感じており悩みどころです。

今日は、この辺りで失礼します。