香車は下段から

将棋のブログ。プロ棋戦、自戦記、戦型考察等々。

考察04 対横歩取り4五角戦法01

こんにちは

女流ABEMAトーナメント2023は、私の本命チーム伊藤が優勝されました。前回覇者チーム加藤との決勝は、3勝4敗の崖っぷちに立たされるなか満を持して登板したリーダー伊藤女流三段が最後2連勝で締めくくりました。リーダー強かったです。トーナメントを通しても負けなしの5連勝だったみたいですね。おめでとうございます。

伊藤沙恵女流三段「やりきった」リーダー対決制し圧巻の5戦全勝でチームけん引 大会初の個人&団体で優勝飾る/将棋・女流ABEMAトーナメント | ニュース | ABEMA TIMES | アベマタイムズ

 

今回は、横歩取り4五角戦法の気になる変化を考察しようと思います。先日横歩取りの将棋に興味を持った友人に4五角戦法の定跡を紹介していたところ、図1の△6七角成を問われ対応が思い出せず悩んでしまった次第です。

 

初手から
▲7六歩    △3四歩    ▲2六歩    △8四歩

▲2五歩    △8五歩 ▲7八金    △3二金    

▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △8六歩

▲同 歩    △同 飛    ▲3四飛    △8八角成  

▲同 銀    △2八歩 ▲同 銀    △4五角    

▲2四飛    △6七角成 - 図1

横歩取りの出だしから△8八角成~△2八歩~△4五角打が4五角戦法。ここで、よくある手順は、▲2四飛 △2三歩 ▲7七角打 △8八飛成 ▲同角 △2四歩 ▲1一角成(図A)ですね。友人の問いは図1の△6七角成でどうされますか?同金と馬を取ると△8八飛成が見えており、怖い局面です。正解をすっかり忘れてました。

この後は、△3三桂、△8七銀等

図1から
▲同 金    △8八飛成 ▲2一飛成  △8九龍    

▲6九歩    △5五桂 - 図2 

AI先生と学んでいきます。図1の局面では勇気を持って▲同金が良いみたいです。△8八飛成の局面でもさらに勇気を持って▲2一飛成。△8九龍~△5五桂の局面は間違えると一気に負けになりそうです。図2の局面をAI先生は+1,568先手優勢と評価されています。候補手としてa) ▲6六金とb) 6八金を推奨されています。

 

図2から

a) ▲6六金    △4七桂成 ▲5六角    

△8七龍    ▲2四角 - 図3

△3三銀    ▲同角成    △同 金 ▲3一龍    

△6二玉    ▲4二龍    △5二金    ▲5四桂    

△同 歩 ▲5三銀    △7二玉    ▲5二龍 - 図4

▲6六金は玉の守りから離れる手で怖いですが5五の桂にプレッシャーをかけています。△4七桂成に対して▲5六角と飛車を成桂を両取りにかけますが、後手も△8七龍として△5七龍を狙いにします。ここで、5七の地点を守りながら▲2四角打と王手をかけるのが好手ですね。以降は一例ですが、図4の局面は5六角の効きが後手玉上部脱出を防いで後手玉が詰んでいます。

 

図2から
b) ▲6八金    △6七銀    ▲5八金寄 - 図5 

△2七歩    ▲3九銀    △7八龍 ▲3三角 - 図6    

△同 金    ▲3一龍    △4一角    ▲4二銀    

△6二玉 ▲4一龍 - 図7

▲6八金に対して△6七銀と被せてきますが、▲5八金寄が好手です。そうです、こんな手がありました。以降後手の猛攻を何とか凌いで▲3三角打(△6ニ玉と逃げたら▲5五角成と急所の桂馬を外す)と反撃します。以降後手玉を攻め立てて▲4一龍となった局面をAI先生は+3,925先手勝勢と評価されています。

以上△6七角成からの変化を見てきました。先手が良くなるはずです。▲5八金寄りを思い出すことができました。

実践でお相手の方に4五角戦法で来られた場合は、それ以前に変化する手を私は好んで指すようにしています。別の機会にご紹介できればと思います。

今回は、この辺りで失礼します。