香車は下段から

将棋のブログ。プロ棋戦、自戦記、戦型考察等々。

自戦記10 対四間飛車居飛車穴熊2

こんにちは

王将戦WBCNHK杯が終わりホッと一息着いたかなと思いつつも、今晩放送予定の女流ABEMAトーナメント決勝戦や来週ドラフトが行われるABEMAトーナメント2023を楽しみにしています。女流大会決勝は、チーム伊藤の優勝を予想してます。男性棋士大会は、羽生九段、豊島九段、佐藤天彦九段のチームを応援しつつ、佐々木勇気八段がいずれかのチームに入ったら良いなあと思ってます。

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今回は、私の対局をご紹介しようと思います。私が後手番です。以下後手番目線の局面図を示します。

 

初手から

▲7六歩    △8四歩    ▲6六歩    △3四歩    

▲6八飛    △6二銀 ▲7七角    △5四歩    

▲7八銀    △8五歩    ▲4八玉    △4二玉

▲3八玉    △3二玉    ▲2八玉    △5三銀    

▲1八香 - 図1   

先手の方の四間飛車となり▲1八香と穴熊を指向されました。こちらも固さ負けしないように穴熊に進めようと思いました。

 

図1から

△3三角 ▲1九玉    △2二玉    ▲2八銀    

△1二香    ▲3九金    △1一玉 ▲5九金    

△2二銀    ▲4八金左  △3一金    ▲3八金寄  

△5一金 ▲6五歩    △4四歩  - 図2

駒組が進みます。先手がいち早く金銀3枚で穴熊を固めた後早速▲6五歩と戦いを挑んでこられました。こちらは右金が囲いから離れており囲いが不十分なので△4四歩と角交換を拒否しました。この手をAI先生は候補に挙げておらず、△7七角成(-471後手有利)や△2四角・△4ニ金を推奨されていました。そういうものですか...

 

図2から

▲6七銀    △4一金右  ▲6六銀    △7四歩

▲5六歩    △2四角    ▲6九飛    △3二金右  

▲5五歩 - 図3

角交換が行われなかったので穏やかに駒組が進みました。先手は、攻めの銀を前線に繰り出し、こちらは途中△2四角と先手陣をけん制しつつ△3ニ金と囲いを完成したところで▲5五歩と開戦されてきました。中盤戦です。
 

図3から

△8六歩 ▲同 角    △同 飛    ▲同 歩    

△7八角    ▲4九飛    △6七角成 - 図4

△8六歩と飛車先の歩を突いた手に対して▲同角とされたので、思い切って飛車を切り飛ばして手にした角を△7八角打と飛車取りに打っていきました。この手に対して▲4一飛と逃げたのですが、ここでは▲5一飛が勝ったようです。本譜は先手の飛車が攻めに働かなくなり、銀取りの先手を取りながら△6七角成とした局面をAI先生は-898後手優勢と評価されていました。

 

図5
▲5四歩    △同 銀    ▲7七銀    △5七歩    

▲5九歩    △7三桂 ▲7一飛    △6五桂    

▲9一飛成  △7七桂成  ▲同 桂    △同 馬

▲2六香    △4二角    ▲1六歩    △1四歩    

▲1五歩 - 図5 

右の桂馬も捌くことができ持ち駒もたまって十分な体制と思っていました。そんな局面で▲1六歩と手を渡されてちょっと驚き、明確な攻め筋が見つからずやむを得ず△1四歩とした手に対して▲1五歩といきなり来られてもっと驚きました。油断禁物です。

 

図5から

△同 歩 ▲1三歩    △同 銀    ▲1五香    

△同 角    ▲2三香成  △同 金 ▲3一龍    

△2二銀    ▲4一龍    △1八歩    ▲同 玉    

△1七歩 ▲同 銀    △2五桂 - 図6

局面は終盤戦です。相手の手に乗り必要に端を攻めました。先手の竜を使った側面からの攻めにも要注意です。

 

図6から

▲3二金    △1七桂成  ▲同 桂    △3一香

▲同 金    △同 銀    ▲同 龍    △2二銀    

▲4一龍    △3一金 ▲5二龍 - 図7

こちらの金を剝がされてしまいましたが、△2二銀~△3一金と囲いを再生させて後は攻めに専念できる体制ができました。先手は玉頭が攻められていて守りの金2枚が機能していないのが痛いところです。

 

図7から

△1六歩    ▲2八銀    △1七歩成  ▲同 銀    

△2五桂 ▲1六香    △1七桂成  ▲同 玉    

△2五銀    ▲2八桂    △1三香打 ▲1四歩    

△同 香    ▲2六桂    △同 角 - 図8

▲同 歩    △1六香 ▲同 桂    △同 香    

▲2七玉    △3五桂    ▲2八玉    △1七銀

まで後手の勝ち

以降端の攻防が続きましたが、△2六同角(図8)が決め手で何とか勝ち切ることができました。

一局を通して、序盤の囲いを築くまではまずまずの駒組ができ、中盤で思い切りよく飛車を切り飛ばしてペースを奪い、終盤は相手の手に乗って端攻めができました。自玉の安全度も上手く把握できていたかなと思います。

今回は、この辺りで失礼します。